バーゼルのカーニバル(Basler Fasnacht)は、スイスの中でも最も有名で、最も大規模なカーニバルの一つです。
毎年2月から3月にかけて行われるこのイベントは、数世代にわたる伝統を持ちながら、現代的な要素も取り入れており、世界中から観光客を魅了しています。
バーゼルのカーニバルの起源

バーゼルのカーニバルは、16世紀にまでさかのぼることができます!
当初は宗教的な儀式や祭りから発展し、特にバーゼルでは、都市の宗教的、政治的な象徴を風刺する目的で行われるようになりました。
そのため、カーニバルは単なる祝祭ではなく、社会や政治に対する鋭い批評の場でもありました。
開幕を告げる「Morgestraich(モルゲシュトライヒ)」
バーゼルのカーニバルは、月曜日の朝4時に始まります。
この時刻に行われるのが「Morgestraich(モルゲシュトライヒ)」と呼ばれる伝統的なパレードです。
全ての街灯が消され、参加者は色鮮やかなランタンを手に持ちながら、太鼓やシンバルを鳴らしながら市内を練り歩きます。
この暗闇の中で響く音と灯りが、まさにカーニバルの始まりを告げる瞬間です。
仮装と「グラッシ」:独特な顔の仮面
バーゼルのカーニバルでは、仮装と仮面(Larven)が非常に重要な役割を果たします。
特に「グラッシ(Gässeler)」という仮面の集団が有名です。
これらの仮面は大きな鼻や奇妙な表情が特徴的で、参加者たちはそれをつけてパレードに参加します。
仮面は、社会や政治的な風刺を表現するために用いられ、非常に個性的でユニークなデザインが多いです。
また、仮装をすることで、参加者は一時的に「社会的な枠組み」から解放され、自由に自分を表現することができます。
この解放的な側面が、カーニバルをさらに魅力的にしています。
カーニバルのメインイベント:パレードと行進
カーニバルの中心となるのは、巨大なパレードです。
バーゼルでは、火曜日の午後に街を歩く豪華なパレードが行われ、何百ものグループが参加します。
これらのグループは、政治的なメッセージやユーモアを込めた風刺的な浮き彫りの装飾を施した車両や、手作りのコスチュームで登場します。
特に目を引くのは、カーニバルのユニークな視覚的表現と風刺的なテーマで、毎年注目されています。
バーゼルならではのカーニバルの魅力
バーゼルのカーニバルは、その独自性と伝統を大切にしていますが、時代とともに革新も続けています。
特に、参加者が歌や演劇を取り入れたパフォーマンスを行い、音楽や舞踏に対する情熱を表現します。
また、カーニバルの期間中は、バーゼルの市内全体が音楽とダンスで賑わい、地元の人々と観光客が一緒に楽しむことができます。
スイスの味覚も楽しむ
カーニバルの時期には、バーゼルの特産品やスイーツも楽しむことができます。
例えば、「Zwiebelwähe(ツヴィーベルヴェー)」という玉ねぎのタルトや、「Fasnachtschüechli(ファスナハツキュークリー)」というカーニバル用の揚げ菓子が人気です。
これらの美味しい料理を楽しみながら、カーニバルの熱気を感じることができます。